光の中に闇があれば…また闇の中にも光がある…。

 
 そこは生命の樹がある場所…ようこそ、楽園(エデン)へ


「君からもらったモノ」


ここにアダムとイブがいた…それは最初から仕組まれていたことかもしれない…二人は知恵を授かりそして互いを拒むようになる…そこからが始まりだった。全ての…


「今僕たちが生きてる人類は16番目の人類なんだ…」


私は気づかされた…知りたくはなかった。それが真実だとしても…


「何度も滅びてはまた甦りその繰り返しだった…最初の人類は5億年も続いた。しかしそこから1億年…8000万年と長続きしなくなってしまった…僕たちの前の人類はたった1000万年…たった1000万年だよ…そして地球の寿命は後100万年…僕たちが生き延びてもあと100万年…滅びるとしても次の人類は数十万年ともたないだろう…その中で僕はいろいろなモノを見てきた」


それはもはや想像の息を越して、何を喋っているのかわからなくなってきた。


「でもね…全ての人類を見てきて全てにひとつだけ共通点があった…それが何かわかる?」


私は知らない…わかりたくも無かった。
その時突然この真白な場所から声がする。


「運命に抗う者たちがいたんだろ…」


突然私の目の前に青年が姿を現す。


「ほう…ここまで来ちゃったんださすが魂の器を入れ替えながら全ての人類を生きてきたことだけはある。」


「お褒めの言葉として受け取っておくよ。」


「だけど君もわかってるだろう…神なんていないことを…それが偽りだって…ただのシンボルに過ぎないことが…」


「ああ、人が創りしモノだとわかってる…だから俺は神の代わりをしないといけない…それがヴィギランス(代官)に課せられた使命だよ。」


「そこまでわかってて何故君は傍観者を続けるんだい?」


「人々には神に頼って欲しくないからだ…もうそんなおとぎ話を信じなくてもいいから。ただ自分自身の足で立って欲しいんだ。」


「人々は何かシンボルになるものを欲しがる。一番最初の人類がそうだったようにね…だけどそれができなかった…だから彼らは自分たちがシンボルとなった…この地を離れそして再び戻ってきた時に次の人類が始まっていてシンボルは自分たちだと言い放った。そこから始まったんだよ神というモノは…」


私は気づく。そうだったんだと…
「だけどそれでもいいと思います…」
私はふと口を開く。


「何故だい…?」


「それが神ではなかったのなら…普通の人間が高みを目指した結果だから。ほんとはもう自分自身で立ってるんです。原は同じ人間なんですから」


「それでも人は実在しないモノに頼るんだよ…?」


「それでもいいんだ…元々自分たちの足で立って夢を見てるんだけなんだから…」


「なんで君たちはそんなに客観的なんだ?もう君たちと話しても無駄なようだ…」


「ひとつだけ言っておくことがある…人は神にでも悪魔にでもなれるという事。そしてお前は今悪魔にまわった…」


「構わない…これが最後に戦いだ…これでわかる僕たちがどれほど愚かだったか。」


小さな孤島に生命の樹があり樹からは悪魔を模したモノが姿を現す。


そして彼らが現れる。

北からはゴジラ

南からはガメラ

西からはモスラ

東からはバラゴン。

そして英雄。


リリス。今君から授かったものを還す…そしてリリンと共に悠久の眠りを…。