「ここだ。」
そう弧門が言いながら、バイクを降りる。
「さあ急ごう。すぐにちせちゃんに会わないと…。」
「はい。」
シュウジが答える。
その時だった。敵の機体が弧門達に向かってビームを撃ってきたのである。シュウジはとっさに目を瞑る。
「ネクサースッ!!」
だがビームは当たらなかった。そしてふと目をあけると暖かい光が差し目の前には銀色の巨人がいた。
それは弧門が変身したネクサスであった。
ネクサスはシュウジに横顔を向け頷く。
そして機体と格闘戦に入り敵の腕や脚を引きちぎり戦闘不能にしていく。その間にシュウジはちせの元へ急ぐのであった…。

「北上より第2陣が接近中!30分後には到着します。」
アスカがツルギ艦長に言う。
「くっ!まだか。上層部の確保は?」
「まだ連絡は入ってきていません。」
(早くしてくれよ。石室チーフ。我々だけでは日本を守ることはできん。)
ツルギはそう思いながら、敵陣へ艦を動かしていくのだった。
「畜生!いくら倒してもきりが無い。第2陣まで来られたら、少々手荒なまねをして倒すしかなくなる。」
とキンジョウが言う。
「俺達が一気に片付けます!みんな後ろに下がって。」
コウイチが真剣な表情に変わる。
「コウイチさん…あれを使うんですね。」
ミナが不安そうに顔をして聞く。
「そしたらコウイチさんの力が…。」
「だからミナの力も貸して欲しい。君がいればコクピット部分もはずすことができる。」
「分かりました。コウイチさんが望むなら。」
と言い2人は抱き合い、それぞれの片手で機神をコントロールする玉の上に置く。そして全体を光で包み込み2人は声を重ねて叫ぶ。
「ゴッドフルバースト!」
と叫んだと同時にインティストから何千ともの光の閃光がはしる。そしてコクピットをはずすように次々に撃墜していく。そしてほとんどの機体が消える。
その時、力を使ったコウイチが倒れそうになる。それをなんとか支えるミナ。
その顔はとても悲しそうだ。
「コウイチさん…。」
「大丈夫だ。心配かけてごめんな…。少し頑張り過ぎたみたいだ。」
コウイチは優しく笑顔で言う。その顔にミナが泣いてしまう。そんなミナを抱き締めるコウイチ。

ちせは戦闘が一度落ち着き地上に降りる。機龍は次に備え補給を開始している。
ちせは疲れきっている自分に気付く。たぶん、身体がもたなくなっているのだろうと思った。その時目の前に1人の人影が…。顔をあげるとそれはシュウジだった。驚くちせ。それと同時に少し兵器の意思が弱くなる。
「なんで…いるの?」
ちせは困った表情になる。
「ちせともう一度話したかった…。ずっとそばにいて欲しい。頼む!どこにも…いかないでくれ。」
シュウジは懸命に訴える。その事に驚くちせ。
が、しかし
「ごめんなさい。一緒に…いることは…できません…。」
「どうしてだ!」
「もう私は私で無くなっちゃう。もう身体も限界にきているし、シュウちゃんの事もわれちゃいそうなの!だから一緒にいることはできないの…。」
「1人で抱え込むなよ!みんながいる。弧門さんもいる。きっとみんながなんとかしてくれる。だからどこにも行かないでくれ!」
「弧…門さん…誰?」
「えっ?」
「ごめんなさい。もうほとんど記憶を失っていてシュウちゃんしか覚えてないの。だから私は決心しました。この戦いを終わらせるよ。私の力で…。」
そういいながら背中からたくさんのコードみたいなものがでてくる。そしてちせを包んでいく。
「最後にシュウちゃんに会えて良かった…。シュウちゃんは私が守るから…。」
そう言い機械に包まれてしまった。その姿はまるで天使だった。
「ちせー!」
シュウジは叫びながら呼びかけるがそのままちせは飛び立つ。

「コウイチさん、ちせちゃんが!」
コウイチはモニターを見上げる。そこには天使が宇宙(そら)に飛び立とうとしていた。
コウイチはミナに支えられながら立つ。そして機体を動かす。
「いかなければ、地球が終わってしまう。」
コウイチは苦しみながらも懸命に機体を動かす。
「コウイチ君聞こえるか。」
ビックワンが聞く。
「第2陣は我々に任せて宇宙へいくんだ。ここは若い未来を担う君達に頼む。さあいくんだ!」
「ありがとう。ビックワン。ガオレッド、ゴーレッド、ネクサス、ガイア後方支援を頼む。」
全員は頷く。
「よし行くぞ。宇宙(そら)へ!」
そして五体は宇宙へ飛び立っていくのであった。

宇宙に着くとすでにちせは地球への攻撃を開始しようとしていた。
「今すぐやめるんだ!ちせちゃん!」
とコウイチが言う。
「あなたは…誰?」
ふと、ちせは動きを止め、聞く。
「俺達の事が分からないのか?限界がきてるということか…俺達の事が分からなくもいい!しかし、地球を攻撃するのをやめるんだ。」
「あなたが誰か知りませんが、それはできません。もう地球が持たない時がきてるんです。ならもう破壊した方がいいんです。誰も苦しまずに済むんだから…。」
「バカヤロー!そんな自分の身勝手でいやシュウジ君のために君がそこまでする事はないんだ!それにちせちゃんが思っているほど地球は簡単に壊れやしない!人はな苦しんで…迷って、生きていくんだよ。人はどうやっても生きていかなきゃならないんだ!」
コウイチは必死に訴える。
「苦しむことは、もういやです…。これ以上苦しみたくない…。終わらせます。私の力で!」
「それがちせちゃんの出した答え…なのか?」
「はい。私は地球を破壊します。」
シュウジ君は?」
「彼は助けます。彼には生きて欲しいから…。」
「分かった。全員、標的をちせに…」
コウイチは悲しく答える。
「でもそれじゃあちせちゃんが!」
ミナが慌てた表情をする。
「みんな、いいか。何とかコクピットをはずしてくれ。後は俺がどうにかする…。」
コウイチの表情は真剣だった。その瞳には闘士が映し出されていた。その顔に全員は信頼をよせる。
「分かった。コウイチ。なんとかやってみる。その後は…。」
ガオレッドがいい、
「コウイチ君、君がちせを救出するんだ!」
ゴーレッドが言う。
「分かった。全機攻撃開始!」
コウイチが叫ぶ。それと同時にちせは地球の攻撃をやめ、機体を相手するのであった。
(私の邪魔をしないで…)
そうちせは思いながら攻撃していく。
「ちせちゃん!今すぐやめるんだ。地球には多くの動物たちがいる。彼らまで巻き込んだりしたらいけないんだ。」
ガオレッドがちせに言う。
「そうだぜ!俺達はオルグから地球全体を守ってきたんだ。人間同士の争いで破壊されてたまるか!」
ガオイエローが言う。
「いいえ。地球はそのうち駄目になる…その前に私の手で…。」
「駄目か…。説得が通じない。それなら!」
とガオイカロスは、大きく舞い、攻撃を避け、ガオマジロを出す。
コクピット部分をはずして!行けっ!究極天技!イカロスダイナマイト!」
と5人が言い、攻撃する。見事に直撃するが、まだ動けるちせ。そして攻撃を仕掛けてくる。
「不死身なのかよ!」
とガオブラックが言う。
「いいや。あれでもかなり効いてるんだ。何とか翼部分を攻撃するんだ!そうすればチャンスは見える!」
コウイチはちせの攻撃を避けながら言う。
「ちせちゃん!僕たちの使命は人々を守ることだ。君のしていることは人類を滅ぼそうとした災魔一族と同じ事をしようとしているんだぞ。」
とゴーレッドが説得する。
「今からでもいい。攻撃をやめて私たちと一緒に来て。あなたの身体もきっと直すことができるから。」
ゴーピンクが言う。
「ごめんなさい。それはできません…。」
ちせはそんな事よりもシュウジが助かればいいと思っている。
「どうしてだその身体は人々を守るための身体じゃなかったのか!」
ゴーイエローが叫ぶ。
「シュウちゃんが助かればそれでいい…。」
「そんな…。」
「みんな弱気になるな。俺達はどんな事情であろうと人々を守らなければいけないんだ。」
ゴーシルバーが言う。
「ああ。どんなことがあろうと人々を守ることをできるのは俺たちしかいないんだ。みんな行くぞ!」
6人が叫ぶ。
「俺達はちせの救出も目的として入っている。彼女も助け出すことも俺達の使命だ。」
「ああ。よし!これを使うぞ。アルティメットビクトリープロミネンス!」
ジェットマックスビクトリーロボからソードで斬り倒す必殺技が炸裂する。
その攻撃でだんだんとちせの機体は損傷を受けてきた。
「まだ!まだ…やられるわけにはいかない!」
ちせは損傷を受けているのにもかかわらず攻撃してくる。
「なんて気力だどうして彼女はそこまでして地球を…。」
ゴーシルバーが唖然としてしまっている。
「ちせちゃんは守りたい人がいるから、もう自分を、地球を犠牲にしてでも守りたいと思っているんだろう。守り方を間違ってしまったんだ!ちせちゃんは!」
コウイチは悲しそうに答える。
「くっ!これじゃあ俺達がもたないぜ!」
ジェットマックスビクトリーロボに攻撃が直撃し、ゴーイエローが言う。
「何か手はないの?」
ガオホワイトが言う。
その時だった。ガイア、アグルがちせの前に出る。
(ちせちゃん。やめるんだ。地球は生きているんだ。みんなの力をかりて…)
ガイアに変身している我夢がテレパシーを通して言う。
(そうだ。そして地球を守るために俺達がいる。お前は間違っているんだ。)
アグルに変身している藤宮が言う。
(そうさ。地球はまだ生きている。その証拠にまだ僕たちには光が存在してるんだ。だからち背ちゃんが攻撃するなら、僕達はここから一歩もさがらない!それが…)
(俺達の役目だ!)
「それでも、私はこの世界で苦しみたくはない…。だから私はこの世界を終わらせたいの。」
ちせはだんだん困惑してきていた。心境に変化が訪れていた…。それでもちせは地球を攻撃しようとする。
(我夢!)
(分かってる。藤宮!)
ガイアとアグルはそれぞれの必殺技、フォトンストリーム、フォトンクラッシャーを発射する。技が命中し、どんどん翼の部分や胴体部分が損傷していく。
しかし、ちせはまだ動いた。そのまま攻撃し2人を吹き飛ばす。そのまま地球へ突破しようとした。だが煙の中からでできたのは、ウルトラマンネクサスの最終形態ウルトラマンノアであった。
(ちせちゃん!シュウジ君はこんな事望んでいない。やめるんだ。)
ネクサスに変身している弧門がテレパシーから叫ぶ。
「なんでそんな事が分かるんですか。あなたたちに…一体何が分かるんですか。ここまで苦しめられて、シュウちゃんと一緒になれない世界なんて無くなってしまえばいい…。」
ちせは悲しい顔をしている。
(ちせちゃん…。苦しんでいる人は君だけじゃないんだ。僕だってそうだ。大事な人亡くしているんだから。)
弧門は優しく話す。しかしちせは耳障りなのか耳を塞いでいる。しかし、脳に直接伝わってきているので、そんなことをしても無駄だった。
「やめて。もう何も聞きたくない。お願いやめて!」
ちせはもう限界にきていた半ば狂い始めている。
(よく聞くんだ。人は恐怖に震えてもいくら傷ついても立ち上がらなくちゃいけない。僕は…僕達はそれを選択した。それを大事な人を亡くした事とビーストとの戦いで学んだことだから。それに僕たちの傍にはいつも光がついている。みんなそうなんだ。だからネクサスは光の絆となって僕達を救ってくれている。だから君も信じて欲しいきっと君が望む世界がやってくることを。それを信じているからシュウジ君は君の元へきたんだ。諦めるな!信じるんだこの世界を!)
ちせはそれを遮るようにノアに攻撃していく。
(ちせちゃん。目を覚ますんだ。)
と弧門がいい、ノアがライトニングノアを発射する。その一撃によってちせの機体は壊れ始め、地球に落下していく。
(コウイチ!早く!)
弧門が叫ぶ。それを聞きコウイチは機体を最大速度でちせの機体を追いかける。そして地球の大気圏の中へと進むのだった。

 なんなんだこの状況は…俺の周りになんでこんなに体調が悪い人がいるんだ?おかげで頭痛と腹痛に襲われてるよ…。
 明日から授業は午前中。家でゆったりと過ごそう。
 今日はこの辺で
おやすみなさい。