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蒼く輝く天上…しかしそこはもはや陵辱の地へと化していた…
「還るべき場所」
「…くっ、抜けたか!?」
青年は青く輝く空に照らされる。だが目の前の地を見て青年の顔が歪む。そこは天使の失楽園と化していた。
「ちっ…遅かったか…」
青年はなんとも言えぬ深い悲しみに覆われる。そして目の前で行われる淫らな饗宴に吐き気を催す。
(この神聖な場所ここまで侵されるとは…くそっ!!)
青年は怒りの炎を燃やす。そして辺りにいる黒い武装した魔王の兵隊を見つける。彼らも機神に気付き慌てふためいている。
「もうここに慈愛も恵みもない…だから俺は断ち切る…この悲しき地を」
インティストはゴッドライフル、ゴッドネオバスターを構える。そして次々に地を焼き払う。そして天使、悪魔関係なく焼き払われる。しかし上空から黒い物体が数体近づく。
(くっ奴らあんなものまで…!)
それは人型兵器を模した黒い悪魔であった。
「貴様に告げる…直ちに武装を解除して地に降りろ。忠告を無視した場合は即攻撃を開始する。魔王様の命令だ。」
中にいるであろう魔王軍の兵隊が言ってくる。しかし青年は俯きながら表情を出さない。
「聞こえなかったのか…早く…」
もう一度忠告しようとした兵士はいきなり攻撃される。目にも止まらぬ速さで…。
インティストはゴッドランサーを召喚し一気に敵へ突き刺した。黒い悪魔は一気に付き崩され破壊される。
「そ、そんな一突きで我が最大の兵器であるデビルラザーを破壊するなんて…ぐあああああっ」
兵士達が驚いている間に次々に壊されていく。
「くそっ、やられてたまるか…!」
数機がインティストを取り囲む。
「死ね!この野郎!」
兵士が告げ攻撃しようとしたとき、
「黙れっ!」
青年のもの凄い怒号が響くその声のでかさに一瞬吹き飛ばされそうな感覚に兵士達は感じた。
「そして、聞け。俺は悪を断ち切る者…神の代官者。神を恐れぬならかかって来いっ!!」
インティストは2丁のライフルを装備し一気に囲まれていた場所から抜け、さっきの場所を攻撃する。
「受けろっ!!ゴッドフルベンスッ!!」
全砲門がデビルラザー全ての機体をロックし幾つもの閃光が迸る。そして爆煙にインティストは紛れる。
そして爆煙が消えたときもはやひとつもデビルラザーの姿はなかった。
天使の地を攻撃しつつ地上に降りるインティスト。次々と焼き払われていく地。そして青年はコクピットから外に出る。降りたとき数人の兵士に囲まれるがグロックとべレッタのカスタム銃で撃ち抜いていく。
「何故だ!?俺達の装甲を簡単に撃ち抜くなんて…!!」
遠くで応戦していた兵士が慄いた叫びを発する。
「これには対悪魔用の特殊弾が入ってる。そんな装甲は紙平みたいなもんだよ。」
青年は呟きながら近づき頭を撃ち抜く。悪魔兵士達は弓矢を飛ばすが青年に当たる前に消滅してしまう。腕に嵌められたブレスレットがバリア効果を生み出していた。
「さあ、我のもとに一度還る時だ…この大地を元に戻すために…」
青年はある覚悟をした目の色に変わっていた…
…続く