「A.C.E」
(Abide・Catch・Earth)


 1万2千年前、遥か昔に凄まじい戦乱が巻き起こっていた…

 魔神と神の戦い…人間は神に従い抗った。

 それはやがて銀河を巻き込んだ…そして魔神たちは封印された。

 神はある器に魂を委ねた…6つの従者を従えて…

 そして現在、再び魔神たちの封印は解け、地球へ目指そうとしていた…


オープニングテーマ「君がくれたあの日」茅原実里

第1話「始まりはメイドさん!?」パート1

 そこは誰も知らない宇宙…星々が数多くあり、その中の紫色をした邪気を放つ惑星が引きつけるようにもう1つの惑星とぶつかった。そして異変が起こった。真っ黒な1つの球体が現れ一直線に向かい始めたのだった…この物体が向かう先は地球だった。そして人類はまだ何も知らずにいた。


 地球のとある場所…
 朝日が差し込む普通の家で1人の、戦いとは全く無関係な青年が自室で眠りこけていた。
端正な顔立ちだが男としてはまあまあ普通の体格その青年は気持ちよさそうな寝顔をして夢の中を彷徨っていた。
 しかし、その静寂は破られる。いきなり大きな音を立てて扉が開かれる。
 「正兄っ!!起きろ!遅刻するよ!この天然ボケッ!!」
 いきなり黒髪のツインテールの少女が青年に向かって怒鳴る。青年はいきなりと大音量の声にゆっくり起き上がり、何事も無かったかのように
 「あっ、おはよう凛。」
 ともの凄いゆったりマイペースを発動する。その様子に少女はいつもの事ながら呆気に取られる。
 「はあー。やっぱり駄目だ。この天然…」
 少女こと凛は脱力し、構ってられないとばかりに、
 「さっさと着替えないと遅刻するよ…」
 と気だるげ言い下へ降りていく。
 「うん。すぐに着替える。」
 爽やかな朝を迎えた様な顔をしながら、ベッドから降り着替え始める。しかし、彼の背中には大きな切り傷があった…。


 地球の奥深くの海底で謎の基地が建っていた。そして基地の内部で二つのカプセルが開き二人の美女が姿を現す。そして赤色の髪をした美女が青色の髪の美女に訪ねる。
 「どうやら、甦ってしまったようね。やつらが…。」
 「ええ…前は封印して食い止めたけど今回は…」
 「ああ…倒すしかないようだ。」
二人は暗い表情を浮かべる。
 「他のヴァルトムは?」
あることに気付いたように赤色の髪をした美女は言う。
 「ここにいる2人はまだ眠ったままよ…だけど他の場所にいる3人は分からない…」
青色の髪の美女はまだ開かないカプセルを見つめる。
 「仕方ないかあれだけの傷を負わされたんだ。もう少し時間がかかるかもね…」
 「ええ…」
 「それよりも主は何処なの?器だけ残して何処かに行っちゃうんだから困ったものね。」
青色の髪の美女が話題を変えて次の質問をした。
 「大体、検討は付いてるわ…何度も転生を繰り返し今はある青年の魂の中にいる…」
 「へえー人間の中にね…主も物好きねー。」
 「だけど私達結論的に言えばその青年のヴァルトムになるって事よ。それにその青年には悪いけどあの器に乗ってもらわなくちゃならない…」
 「その青年がやれるかやれないかにかかってるわけね…」
赤の髪の美女はバツの悪そうな顔をする。
 「まあここで話してもきりが無いわ。直接合うしかないわね」
青い髪の美女が決心したように言う。
 「じゃあさっさと着替えて会いにいくとしますか。」
赤の髪の美女も賛同して二人は着替え始める。しかし、着替えた格好がどことなくメイドの服装に似ていたのであった…。


…続く