少年は最後の力を振り絞り妖魔に立ち向かおうとした。
堕落した少女たちを救うために…
しかしあまりにも無謀すぎた
力は腕になく勝ち目は無い。
だが一人の青年が突如と現れたことによりBAD endがHAPPY endに変わる
まるで奇跡のような出来事…
特とご覧いただこう
BAD end回避フラグ「ジャスティス・トラベラー」
少年は最後の力で妖魔に突き進む
「うおおおおお!!」
妖魔が憑依した生徒が手を振り上げる。
その瞬間少年は一瞬に体中が炎で包まれるはずだった…しかし、
「全く、戦乙女もそうだが、退魔師も役に立たんな」
突如として少年の前に一人の青年が現れる。そして片手を前に突き出し炎術を妨げる。
「ナニ…」
妖魔は少し驚いたように呟く。
「お楽しみの途中にすまんね、妖魔さん」
「ヨワキ、ニンゲンガ、ワガジュツヲヤブッタダト…」
「そのとおり、このまま見過ごすのも何だし出てきちゃったじゃないか、それもみんな君のせいさ」
青年は少年に顔を向ける。
「お、俺?」
「ああ、その通りだ、愛する者を全力で守りたいのは分かるけど、闇雲に突っ込むのは芸がない。もうちょっと頭を使いな。」
「あ、ああ…」
少年は余裕げな青年に曖昧な返事を返す。
「強くなれ、少年…」
青年はほほ笑む。
「ワレヲ、サシオイテ、ムダバナシトハ、イイドキョウダ」
青年に向けて、触手が突出す。だが青年は一瞬でその触手から逃れる。
「キサマ、ニンゲンデハナイナ」
「ああ?まあ近いな…そんなもんだ」
「デハ、キサマハイッタイナニモノダ?」
「フフッ…ハハハハハハッ!」
「ナニガ、オカシイ?」
怒りを剥き出しにしてきた妖魔に対し、青年は、
「その質問を待っていて、ほんとに言ってきたもんですまない…妖魔さんの質問に答えてやるよ、俺の名はマスダ コウイチ。通りすがりのヒーローさ!覚えときな!」
「ヒーローダト?」
青年に再び触手が迫る。青年は左腕にはめたブレスレットを掲げ、
「変身ッッ!!」
高らかに叫ぶ。ブレスレットから大きな光の塊が無数に飛び交い、触手を薙ぎ払っていく。その光の塊は一度飛び交いコウイチの体に取り付く。
光が消えたとき、そこには蒼き騎士が舞い降りる。
「ヴィギランス、ドラスティックフォーム…」
「へ、変身した…」
少年はまるで自分が幼少時に見た特撮の世界に入り込んだような錯覚を覚える。
「いざ勝負!と行きたいところだけど、あんたの後ろにいる二人の少女に服を着させてやってくんないか目ざわり。」
「フン、ナラバ、モットメザトクミセテヤロウ」
触手を使い妖魔の目の前に二人の少女を突き出す。
「そう、人質と来たか…」
コウイチは焦りも見せず単調に答える。
(後は憑依されてる生徒も含めると3人か…二人は何とかなるとして憑依された奴は厳しいかな?まあやってみるか)
青年はベルトにあるボタンを押す。
「アクセルモード、リリース」
電子コールと共に一瞬に消える。
「ナニ?」
妖魔が一言告げた瞬間だった。あっという間に触手は切り裂かれ少女たちの枷が外れ少年の近くに
移動した。
「クッ…!」
妖魔の顔がゆがむ。
「ふう、一仕事完了。どうだい?妖魔さん動けないだろ?」
コウイチは元の場所に姿を現す正しく疾風の如く…。そして妖魔に憑依した生徒の足元は血で滴る。
そして、立てなくなり膝をつく
(さあ、出てきてもらおうか、あらゆる者を惑わすナイトメア<悪夢>…!)
その時はすぐに現れる。馬の顔をした獣人が姿を現したのだ。
「ワレヲ、ココマデオイツメルトハヤッテクレル!」
妖魔は一気に決着をつけようと妖術を繰り出す。
「済まないが、俺にはそういうまやかしは一切通用しない…」
どこか哀れな声を出しながらゆっくり妖魔に向かい歩いてゆく。
コウイチは歩きながらベルトのボタンを押す。
「ブリッツソード、リリース」
電子コールがするとソードが転移しコウイチはそれを掴む。
「クッ、ナラバ!」
妖魔は突貫行動を取る。
「さっきの話は聞いていなかったのか?闇雲に突き進めば死が近づくと!」
コウイチは一気に駆け出し
「srash、into the chaos…」
ソードが妖魔を切り裂く。
「グアアアアアッッ!!」
妖魔からどす黒い血が流れ出す。
「ワレハ、ワレハ…」
「もう喋るな、くどいぞ。インビシブル、キック…」
コウイチは真っ直ぐにキックを叩き込む。
コウイチの着地と同時に妖魔は爆発四散する。
「深い地獄で喘ぐがいい…」
コウイチは言葉を告げ、変身を解く。
そして朦々とした空間が消え去り一つの何の変哲もない教室へ引き戻される。
「ふう、やっと異空間も解けたか…ここにはいるのは一苦労だったからな…」
コウイチは辺りを見回しながら倒れてる少年に近づく。
「ヤマト、大丈夫かい?」
「どうして俺の名前を?」
「俺は何でも知ってるさ、世界が見える男だからね。」
「は、はあ…」
「まあ、冗談はさておき、頭を貸せ。」
「え?」
コウイチはヤマトの頭を手で押さえる。そして腕から光の粒子が溢れ出す。
「…暖かい」
「ふっ、これで少しは楽になるはずだ、まあ1日もすれば今日の傷は癒える。それとさっき言ったこと覚えてるか?」
「さっき言ったこと?」
「ああ、お前に強くなれって言っただろ。」
「は、はい…」
「これは警告だ、よく聞け、またこれからも彼女たちにこういう災厄が訪れる、必ずな。お前はそれを守り抜け。頭を使い、力を備えろ。そうすれば必ず神の御加護が待っている。己を信じるんだな。分かったか?」
「ああ、分かったよ、何としても守り抜いてやるさ」
「その意気だ、まあ無茶は禁物だがな、まずは体を癒しな、俺はここでさよならだ。…諦めるなよ。」
そうコウイチは言い上着を脱ぎ2人の少女たちの上に被せ、教室を去って行った。
あらゆることが一瞬に過ぎ去り、ヤマトは半分ついていけなかった。ただ戦いが終わったことと、コウイチの一言だけが頭の中で分かっていた。
「不思議な人だったな…」
まるで特撮ヒーローの見終わった後のように思い、彼の雄姿を思い浮かべる。
彼の物語はここから新たに始まる…

「彼らに幸あれ…」
コウイチはバイクに乗り込み彼らがいる校舎を見つめ呟き、前方に顔を向けアクセルを回す。
彼の旅もまた続くのであった。