リアクトはギャザーブッカーを剣形態に変えてギニュー特戦隊へと向かっていく。
対して5人は、
「オイ、誰から行く?」
「ふん、ここはじゃんけんで行こうじゃないか」
そして5人は戦闘中にも関わらずじゃんけんを始める。
その姿に走りをとめ唖然と5人を見る。そして一言。
「こいつらバカか」
気勢をそがれたリアクトはカードを取り出しベルトに装填。
≪ファイナルアタックライド…リ・リ・リ・リアクト≫
電子音と共にホログラムカードがギニュー特戦隊へターゲットを絞る。
リアクトは続けてカードを装填。
≪アタックライド…イリュージョン≫
リアクトが三体に分身し、ホログラムカードも3列出現する。
リアクトは一気にジャンプしホログラムカードへ飛びこむ。
ギニュー特戦隊へ向かってキックを放ち、大爆発を引き起こす。
しかし、ギニュー特戦隊は空中に浮遊し、先ほどの攻撃を避けていた。
だが、
「おい、グルドは?」
「あのバカ、逃げ遅れたな」
「…使えない奴」
一番戦闘力が弱いグルドに対して苦言を呈す4人。
「全くすばしっこい奴らだ…じゃんけんなど必要ないまとめてかかってこい!」
リアクトの挑発に4人はまんまと乗り、一気に彼ヘ迫る。
≪アタックライド…加速装置≫
リアクトはカードを装填。「サイボーグ009」世界の主人公、島村ジョーの能力加速装置を発動。一気に5人の攻撃をかわす。しかし、
「俺のほうが速い!」
「宇宙一速い」と自負する戦士・バータが一瞬のうちにリアクトに迫り、青白いエネルギー波を放つ。何とか加速装置でかわし、バータに懐に飛び込み、カードを装填。
≪ヒーローライド…ジャスピオン≫
前の世界でも変身したジャスピオンへ姿を変える。
「何!姿を変えただと!?」
バータは驚くがその隙をつき一気に止めに入る。
≪ファイナルアタックライド…ジャ・ジャ・ジャ・ジャスピオン≫
どこからともなく光子剣プラズマブレーザーソードを現れ、バータを突き刺す。
「ぐあああああ!!」
バータはもがき、爆散する。


世界の救世主リアクト、いくつもの世界を渡りその心は何を捉える?

第7話「人間の証明


「バータ!!貴様よくもバータを!」
仲の良かったジースがバータが倒されたことに対し、怒り攻撃を仕掛ける。だがまだ加速装置の能力が続いているRジャスピオンには全く当らず、翻弄されてしまう。
「ちょこまかと!死ねえええ!!」
それでもめげずに攻撃を仕掛け、一瞬の隙を突かれ吹き飛ぶ。
「ちっ、なら黄金の騎士で行かせてもらう、ハアッ!」
≪ヒーローライド…ガロ≫
続けてガロになるとジースをいとも簡単に蹴散らす。
≪アタックライド…烈火炎装≫
魔導火を魔戒剣に帯びさせ、その後身に纏うことにより攻撃力・防御力を高める能力を発動。緑色の炎が全身を包む。
「また姿を変えやがって!クラッシャーボール!!」
ジースは決着を付けようと必殺技を繰り出す。
≪ファイナルアタックライド…ガ・ガ・ガ・ガロ≫
Rガロの斬撃がジースの必殺技を吹き飛ばし、ジースはまともにくらい悲鳴を発する間もなく爆散する。
「ほう、短時間で3人も倒すとは……」
「化け物か、奴は」
「いいや、ただの救世主だ」
Rガロはそう言い放つと2人に向けて攻撃する。
しかし、攻撃をかわされ、押されるRガロ。
「リクームボンバー!」
リクームのエネルギー弾をまともに食らい、
「うあああああ!!」
続けてギニューが迫り、
「はあああ!!」
「ぐあああああ!!」
打撃攻撃を全身に受け壁に吹き飛び激突する。
リアクトに戻るとともに地面に倒れ伏すリアクト。
「弱いな、さっきの威勢はどうした?」
「俺たちの連係プレイには敵う筈がない、さあ止めだ。」
そしてリアクトに歩み寄る2人。満身創痍の状態で何とか立ち上がるリアクト。起き上がるのでやっとであった。
≪アタックライド…サーチャー≫
どこからともなく電子音が響き、2つの球体がリクームとギニューを捕捉する。と同時にエネルギー弾が何十発も放たれ、2人に直撃する。2人はかわそうとしたがロックされ避けることができず吹き飛ぶ。
そして柱の陰からリルートが姿を現す。
「優樹さん大丈夫ですか?」
「ああ、助かった。」
「いいえ、さっきの少女は助けられましたか?」
「いいや、状況は後で説明する。今は、」
「奴らを倒す、ですよね。任せてください、優樹さんは彼女の元へ」
「了解、あとあの紫色の奴は気を付けろ。身体を入れ替える能力を持っている。」
「よく知っているんですね。」
「なんでだろうな?まだ奴ともまともに戦ってないのに
「えっ?」
「……まあ後は頼む。」
昔の記憶が少し戻ったように感じた。そしてそれは彼が記憶を失くす以前でもあらゆる世界へと移動していたことを示していた。
しかし、今は考えに浸っている場合ではない。すぐさまカードを取り出し、装填。
≪アタックライド…テレポーテーション≫
瞬間移動の能力を発動。その場から一瞬にして姿を消す。
「今度は僕が相手です。フッ!」
リルートは2人めがけて攻撃を始めた。


その頃ジャンヌの城では突如現れたオーガに兵士はやられていき占領されつつあった。
「ハッハッハッ!!この国は俺たち物だ!人間を家畜のように扱い、全てを喰い散らかしていく!」
オーガの長・ギドーは高らかに宣言し、傍らにはボロボロのドレスに首輪をつながれたジャンヌの姿があった。その顔は無表情でやつれ、全てを喪失したような感じであった。無秩序に殺されていく兵士を黙って見つめるジャンヌ。もう一方にはジャンヌの妹・ユーワの姿も。そう妹を人質に取られ屈服し、ジャンヌは今まで何も反撃できなかったのである。そして自身も調教され、誰にも告白できず、それが仇となり国を滅ぼすきっかけを作ってしまったのだ。
「姫様!なぜ抗わないのです。戦ってください!」
キースが敵を蹴散らしながらもジャンヌに語りかける。
「キース、私はオーガの子を孕みました。だからまた誇りといって頂戴。オーガを孕んだ王女として語り継いで頂戴……」
「姫様……」
キースはジャンヌの言葉に戦意を喪失し剣を落とし跪く。そして一人のオーガがキースを刺し殺そうとした。
ズバァァンッ!!
一発の銃声。キースを刺し殺そうとしたオーガの頭は見事に吹き飛び、胴体は力なく倒れる。

「姫様、それはできない話だ。なぜならこれから俺が全てを救うからな」
扉を蹴飛ばし現れたリアクト。
「人間、貴様なぜそこまでジャンヌを救おうとする?こんなちっぽけな国を守られぬ浅ましき姫を」
「いいや、こいつは全てを精一杯守ろうとした。国を守るために貴様らと戦い、妹のために自らの身体を差し出して己を賭けて守ろうとした。こいつは大切な物のためならどこまでも貫く、俺は浅ましいとは思わないな。人は人でなくなる時、全てを失う。それでも守りたいモノがある!ジャンヌ、お前は全てを失うことを分からなかっただけなんだ。」
「……」
「貴様の声など届かん、ジャンヌはすでに堕ちたのだ!」
「だったら元に戻せばいい」
「何?」
「貴様らには分からないよな、守るものなどない全てを喰い散らかす下衆共には!姫騎士とお前たちの堕ち方は違う!それをよく知っておくことだ。」
「人間、お前は一体何者だ?」
「ただの救世主だ、すぐに分かる!」
カードがギャザーブッカーから飛び出て1枚のブランクカードが色を取り戻す。それはジャンヌのカードであった。

そして再び発砲しギドーの腕を吹き飛ばす。
「俺を倒せばジャンヌも死ぬぞ、人間。」
ギドーの吹き飛んだ腕と同じ個所に血を流すジャンヌ。だがギドーはものともせず、再び新しい腕が生え再生する。
「そういうことか、よ〜く分かった。」
≪アタックライド……ジルマ・マジ・マジーネ≫
前の世界でも使用された、呪いを解くための奇跡の技。
そしてもう一回銃弾を放つ。また次は片方の腕が吹き飛ぶ。だが、ジャンヌの腕からは血は流れない。
「何だと!?そんなはずは!くそっ、あいつをやれ!」
一斉にリアクトヘ襲い掛かるオーガ達。
≪ヒーローライド…ガロ≫
今度は召喚をしてガロをオーガと戦わせる。リアクトは隙を突きユーワを抱えると周りの敵を一掃し壁際に寝かせる。
「あの、救世主さん。お姉ちゃんを助けてあげて」
ユーワは弱弱しい声で伝えるがしっかりリアクトの耳には届き、
「ああ、必ず救ってやる。」
そう伝えるとすぐに攻撃を仕掛けていく。


一方のリルートVSギニュー特戦隊は、
≪アタックライド…イリュージョン≫
リルートは3人に分身したが
「チェーンジ!!」
分身の一体にギニューが身体を入れ替えてしまう。
「ほう面白い。行け!」
≪ヒーローライド…デンジマン
ギニューが乗り移ったリルートは「電子戦隊デンジマン」の世界の戦士、レッドを除く、デンジブルー、デンジイエロー、デンジグリーン、デンジピンクの4人が召喚される。リルートの1体はリクームが相手し、もう一方はギニューとデンジマンを。リルートもカードを装填。
≪ヒーローライド…ビーファイター
≪ヒーローライド…ビーファイターカブト
ジースタッグ、レッドル、ビーファイタークワガー、ビーファイターテントウを召喚。デンジマン達と戦わせる。


リアクトとガロは次々とオーガ達を倒していく。ただ数が多く、遂に囲まれてしまう。
「さあ、お終いだ!死ねえええ!」
「それはどうかな?すぐに慣れる!」
≪ファイナルフォームライド…ガ・ガ・ガ・ガロ≫
リアクトはガロにファイナルフォームライドを発動。ガロは超絶変形し、大剣ガロソードへと姿を変える。周りのオークたちは何が起こったか分からず呆然。
リアクトは一気に大勢のオーガを切り裂く。絶大な威力に逃げ出すものまでいる。
そしてギドーにターゲットを絞り、カードを装填。
≪ファイナルアタックライド…ガ・ガ・ガ・ガロ≫
ガロソードにエネルギーが集まり、
「ハアアアアアアア……トリャーーーー!!」
渾身の力を込めて振りかざし膨大なエネルギー、ガロスラッシャーがギドーを襲い、逃げ遅れた周りのオーガ達も巻き添えをくらい、跡形もなく消滅した。

≪ファイナルアタックライド…リ・リ・リ・リルート≫
ディメンションバニッシャーがデンジマンを襲い、リクームも巻き込まれるが手でエネルギーを抑える。
「この程度の攻撃でくたばる俺じゃない!」
「なら今度はこれです」
≪ヒーローライド…リュウガンオー
新たにリュウガンオーを召喚。対してギニューリルートもカードを装填。
≪ヒーローライド…ゼロ≫
ゼロを召喚して、ギニューリルート、ゼロ、リクームが襲い掛かる。
「我慢してください」
リルートは一言言い、カードを装填。
≪ファイナルフォームライド…リュ・リュ・リュ・リュウガンオー
リュウガンオーへ撃ち込み超絶変形させ、リュウガンオーウルフへとファイナルフォームライドする。
「そんなことまでできるのか!実にいい!なら俺も」
「今だ!」
ギニューがカード入れてる間にリルートはリュウガンオーウルフに乗り込み、突進。3人は吹き飛び、空中に投げ飛ばされる。
≪ファイナルアタックライド…リュ・リュ・リュ・リュウガンオー
「止めです!行けええええ!!」
全体が炎に包まれ突撃するリュウガンキャノンが3人を襲う。
「バ、バカな!?我らギニュー特戦隊が!!」
「ぐあああああああああああああああああ!!」
ギニューとリクームは叫び声を上げなら爆散するのであった。


「おい、立てるか?」
「……私は愚かでした。国を穢してしまった……」
「だが守れたじゃないか。君はもう1人で背負うことは無いだろ!どうなるか身をもって知ったんだから。君はもう一人じゃない。」
「うぅ……うあああああ!!」
そこにはボロボロになりながら泣き叫ぶ、か弱い少女しかいないのだった。
「さあ、まだ終わってない。出てこい!いるのはわかってるんだよ!黒幕さん」
リアクトはそう言い放つとどこからともなく、長髪に褐色色の肌をした耳の長い青年が姿を現す。
「よく分かったな。」
「さっきから邪気が治まらなかったからな貴様はエルフといったところか、あんな呪術をジャンヌに掛けたくらいだ。脳なしのオーガにできるはずがない。だとしたら裏で手を引いてるやつがいると思ってな。
「私の名はジェリク、お前はオーガよりは頭がいいみたいだな。折角この国を掌握できると思ったのにお前が邪魔してくれたおかげで全てがパーだ。だが貴様もここで終わりだ。私の呪術によって死ぬがいい。」
「ふん、それはできないな!!」
すぐさまリアクトは銃撃をし威嚇する。
≪ヒロインライド…ジャンヌ≫
「その程度で私を倒せると思うな!」
ジェリクは銃弾をかわしリアクトに攻撃しようとするが、背後に何者かが迫る。
「済まないが倒すのは俺じゃない……」
「ハアアアアアアァァ!!」
後ろに迫ってきたのは、
「な、何!?」
白い羽のついた、先ほどまでとは打って変わった綺麗な騎士服を身に纏ったジャンヌだった。ひと思いに切り裂きジェリクを討ったのだった。


リルートは急いでリアクトの元に駆けつけようとする。
「これ以上、リアクトに肩入れするのは止した方がいいですよ。」
リルートはその言葉に驚き振り向く。そこには銀色の髪の青年が立っていた。
「何なんです?あなたは」
「君が持っているそのツールの前の持ち主を殺したものです。」
平然と言い放つ銀色の髪の青年。
「えっ」
リルートは驚きの声を放つ。
「そのツールも非常に厄介だ。今すぐ捨ててください。」
「い、嫌です。これで僕は優樹さんと一緒に苦しんでいる人を救わなければならない。」
「ふふっ、疫病神に救うことはできません。彼が通った後に残るのは屍だけです。」
「優樹さんは疫病神じゃありません!!」
リルートは全てを否定するかのようにすぐさまカードを装填。
≪ファイナルアタックライド…リ・リ・リ・リルート≫
必殺技を放ち銀色の髪の青年に直撃する…はずだった。
「無駄です。……まあいいでしょう、君もいつか知るはずです。彼が疫病神ということを」
そう言い残し、青白いオーロラに消えて行くのだった。
「……優樹さんは疫病神……」
その言葉がずっと頭の中に残る優樹であった。


全てを終え、それぞれが黒田書店に帰ってきた。
「ジャンヌはこれからも国を守り続けるだそうだ。きっと彼女はこれまで以上に強くなって全てを守り続けるよ。」
「そうか、だがどこまでも黒くなれる、それが人間だ。」
相変わらず光明は本を読みながら嫌味を放つ。
「ああ、分かっている。その時はまた、」
「お前が救いに行くのか?とんだお人好しだな……」
「うるせい!」
「ふっ、……だが嫌いじゃない、そういうのも」
「なんか言ったか?」
「いいや、お前は超お人好しだと思っただけだ。」
「このやろー何が超だ!」
そんな2人の喧騒を静かに眺める周希。
優樹さん、あなたは本当に一体何者なんですか?
あの人の言うとおり貴方が疫病神だったら、
……僕は……僕は貴方を倒さなければいけないんでしょうか?
その時だった、天井の絵柄が光り再び新たな絵柄が変わる。3人は一斉に見上げる。
そこに映っていたのは、アーマースーツを着た少女が立っている絵柄だった。
優樹が無意識に一言漏らす。
「ソルディバンの世界か……」


……続く

次回予告
優樹「全く、子供の一つ覚えのように!」
ハルカ「どきなさい!奴は私が殺る!」
エミリ「とんだイレギュラーだわ、どうしましょう?」
光一郎「ちっ、厄介な奴が増えたな……」
リアクト「宇宙刑事には宇宙刑事だ!蒸着!!」

第8話「正義の在り処」

全てを救い、全てを修正(なお)せ!!