真っ青な海にどんよりとした雲が流れ始める…そしてそこには強大な敵がいる


 果たして勝つことが出来るのだろうか…勇者と呼べる彼に…


 「なっ…」
 「馬鹿な…合体した…」
コウイチとショウタは唖然として目の前にいる巨大な機械の巨人を見る。
 「これが俺の真の力だ…分かるか…俺は軍にいた時こう呼ばれた…先帝の勇者と…」
 「勇者だと…!」
コウイチは怒りを露にする。
 「貴様は勇者じゃない…ただの破壊者に過ぎない…!」
ショウタが言う。
 「例えそんな合体をしたところで…力は生まれない…」
コウイチが言う。
 「だけどお前達はこの力に屈するのさ。」
アキツカは攻撃態勢に入る。
 「天の雷を食らうがいい…サンダー・ヘルズッ!」
雲から一斉に雷が落とされ2機を襲う。
 「くっ…」
 「ちっ…」
何とか2機は直撃を免れたが、次やられたらただではすまない。
 「くそーっ!」
コウイチはグランディオーソに突っ込む。しかし、
 「…邪魔」
カプリチオーソによって攻撃を妨げられる。
 「まとめて破壊するのみ…!」
コウイチは必殺技を使おうとした。しかし、ジェネシスドライブの制限時間が切れてしまう。
 「…くくっ…さあマスダ。切り札が使えなくなった…どうするのかな?」
調子に乗った声が無情に響き渡る。
 「…まだだ…セーフティーリリース…」
コウイチは小声で言う。カプリチオーソは隙と見て攻撃を仕掛けようとする。
 「図に…乗るなーっ!!」
アルティエムは一気に金色のオーラを放ち、不死鳥の姿と化す。たじろぐカプリチオーソ。
 「…何故だ…?もう使えないはず…!」
 「ああ…だけど捨て身の攻撃なら、もう一回ぐらい…!」
一気に不死鳥は2機に迫る。テンペストーソが止めようとする。しかし、
 「おっと、今は俺が相手だ…ブラッグランサーッ!」
ショウタはテンペストーソを牽制する。
 「くらえ…ライトニングフェニックスッッ!!」
一気に不死鳥は加速しカプリチオーソに直撃する。そのまま減速せず、グランディオーソに向かう。
 「うおおおおおっ!!」
 「そんな攻撃で…!!」
そして2機の間で大爆発が起きる。


 煙が晴れたときボロボロになった灰色のアルティエムがいた。
 「やったのか…!」
ショウタは聞く。
 「くっ…すまない…俺の力量不足のようだ…」
煙がなくなった時、無傷の巨体が姿を現す。
 「貴様らがどんなに足掻こうと勝てはしない…」
見下した態度を取るアキツカ。
 「コウイチ!しっかりしろ。」
ショウタはライフルで敵を牽制しながら、アルティエムを抱える。
 「…ふふ、仲良く…」
 「…地獄に落ちろ…」
2機の照射がコウイチとショウタに向けられ、撃たれようとしたその時、
 「ランチェ・メテオッ!ってっっーーー!!」
長距離から巨大なビームが浴びせられ、2機は退く。
 「マスダ中尉。一度艦に戻ってください。」
上空から巨大戦艦イクナートが姿を現す。
 「ユーナ。なぜ戦場に…艦は後方で待機だろ。それに俺は…」
 「その機体でどう戦うの…?コウイチ。」
 「ね、姉さん!なんで艦に乗ってるんだ!」
 「話は後で説明する。いい早く戻ってきなさい。」
 「くっ…了解。」
ガデンツァが牽制し、アルティエムは帰還する。
 「ショウタ君。」
 「はい…何でしょう」
 「すまないけどひとりで戦える…?時間稼ぎでいいの。」
 「ちょっと危険な賭けですが、やってみます。」
 「お願いね。あとあの使用を許可するわ。」
 「了解。役に立ちます。」
通信を切りショウタは真剣な顔になる。
 「セーフティーリリース・シャドーミラージュ機動!」
ガデンツァは何体もの分身を作り出す。
 「繰り出せ…!シャドーブレイクッ!」
一気に分身たちがライフルを向けビームを連射する。
 怯む2機。そうして時間稼ぎの戦いは始まった。


…続く