ヤンデレVS753」
第1話「ヤンデレに勝てるかも知れない男」


そこは暗い夜道だった…
電柱の明かりが照らしてる道に少女の姿が浮かぶ。
少女は暗い顔に三日月に歪めた唇をし、そして目が黒く澱んでいる。
まるで何かに取り付かれたように。
衝撃的なのは彼女の姿だ。
血汐を浴びた衣服でもはやグロテスクにしか思えない。
少女は歩きながらヒソヒソと呟く。
「お兄ちゃんやったよ…お兄ちゃんに縋り付く害虫を駆除したんだよ…帰ったら褒めてくれるよね…そうだよね、そして私を抱きしめてくれるんだ…フフフ、フハハハハハハ!!」
不気味な笑い声を上げながら自分の求める場所へ急ぐ少女。
「全くこんな夜中に人騒がせなのにも程があります。」
少女が向かう道の先に1人の男が現れる。
「もう害虫と称して女性を次々と滅多刺しにするのはよしなさい。きちんと罪を償えば、あなたにもまだチャンスがあります。」
男は諭すように少女に言う。
「あなた、何?私はほんとに害虫駆除しただけだよ。もしかしてあなたも私とおにいちゃんの愛を壊そうとする奴?だったら許さないよ…」
少女の顔から暗い笑顔が消え、俯き震えだす。
「あなたに許してくれなんて頼んだつもりありません。これだから君のような人たちは困る。私の話をちゃんと聞かない。困ったものですねえ。」
「そう、じゃあ邪魔するんだ、私とお兄ちゃんを…」
「ええ、君のような存在は元々居てはいけなかったのですよ。」
「…ッ!!許せない!許せない!許せない!私とお兄ちゃんを引き裂くなら殺してやる!」
突如、鬼の形相に変わった少女はポケットから小型ナイフを取り出す。ナイフは血の色であく鈍い光を照らす。
「やはり戦うしかないのですね。私はフォンガイア専門の戦士ですがこの異常事態仕方ありません。…ヤンデレよ。その命、神に返しなさい!」
「うるさい!うるさい!うるさい!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
「くっ!本当に人の話を聞かない!」
男はベルトを出すと腰に巻きつけ、ナックルを取り出し、右手に持ち、左手の掌に当てる。
『レ・ディ・−』
電子コールが鳴ると同時に、
「変身!!」
彼はそう叫び、ナックルをベルトに装着する。
『フィ・ス・ト・オ・ン』
電子コールが再びなり、男は白いスーツに身を包む。
そして、そこに現れたのは、
仮面ライダーイクサ!名護啓介が貴様を倒す!」
イクサとなった名護は少女に立ち向かう。一蹴のうちにナイフを飛ばし、チョップで少女の首を当てる。
「グフォ…」
少女は逆らう暇も無く壁に叩きつけられる。
「手ごたえがありません。ヤンデレとはこれほど弱いものですか…」
とイクサは背を背ける。しかし、後ろで少女がよろよろと立ち上がる。
「やはり俺は強い。」
楽しげな声を上げるイクサの後ろで少女がナイフを拾いイクサの背中めがけて振りあげる。
「ぐああああ!!」
イクサの叫び声と同時に背中で火花が散る。
「うぅ…よくもやってくれましたね…。…今度こそ覚悟しなさい!」
イクサベルトにナックルフエッスルをリードさせるイクサ。
『イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
電子コールが鳴りイクサナックルで少女の腹を殴る。
気味の悪い音を立て、少女は口から血を吐く。
「お…にい…ちゃ…ん」
少女はそう呟き、目を閉じた倒れる。
「まったく厄介な人でした。」
名護は変身を解く。
「貴様!そこで何をしている!」
通りかかった警官が名護の元に駆けつける。
「こ、これは!貴様を現行犯逮捕する!」
警官は血まみれの少女の姿を見て、とっさに名護を取り押さえる。
「離せ!俺はすばらしき青空の会の戦士だ!」
「ええい!うるさい!だまれ!」
警官に抑えられ足掻く名護。
そう彼の戦いはまだまだ始まったばかりなのだ…。

続くのか、これ?

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